オーラルフレイルってご存じですか?
大人の歯(永久歯)になると前歯から奥歯まで上下合わせて32本(親知らず含む)の歯がそろいます。そこから死ぬまでずーっと自分の歯で食べる事が理想ですが、実際は虫歯、歯周病、歯が欠けるなどの理由で40歳で1.5本、50歳過ぎで2.5本失い、70歳になる前に2本程度の歯がなくなるそうです。厚生労働省 平成28年
歯科疾患実態調査結果の概要より https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-28-02.pdf
そこで、歯磨きをしたり、お口の検診をするようになって、だいぶ歯が残るようにはなったのですがそれでも高齢になると食べられない人がいる事がだんだんわかってきました。実際、むせがあって嚥下評価の同行訪問に伺った際、80歳超えて全てご自分の歯で虫歯などの治療の必要のない方にお会いしました。でも食べる機能としては、舌の動きが悪いのでうまく食べてかみ砕いたものを舌でまとめて運ぶのが難しいという評価でした。
知らず知らずのうちにやわらかい食べ物ばかりを好んで噛まずに食べていれば、噛む力も落ちますし、噛まないから唾液が出ないし、ホルモンの関係からも唾液が少なくなったりします。食べる筋肉も使わないので落ちていきます。さて、落ちた筋肉をこのままにしておくとどうなるでしょう?
更にお肉や野菜などの硬さのある食べにくい物、焼き魚やのりなどのパサパサする食べ物などを避けて、やわらかくて食べやすい物に偏ってきます。そして、食べられるつもりで食べた普通のリンゴもやわらかいものと同じような噛み方でごっくん。喉に詰まったり、また、噛めたとしても舌で送り込む際に送り込めず、お口の中に残渣(ばらけたご飯粒など)が残っている方も・・・
更にその影響で食欲が落ちた、また別な問題(ご病気など)で食欲が落ちたなどという理由で、必要なお食事(栄養)がいつものように取れなくなり、体重も徐々に減っていた。そしてもっと食べる事を辛く感じるようになったという悪循環に陥ります。このような状況で心身の虚弱(フレイル)になることをオーラルフレイルと言います。
途中で気づくと可逆性があるので、戻ることが出来ます。ただし、早く気づくほど気づいた時点まで戻ることが出来ますが、気づくのが遅れれば遅れるほど、中々戻りにくいのです。それは筋肉が落ちるとつけるのに大変であること、食べられる形や量が落ちているほど、戻すのが難しいからです。
歯科では管理栄養士によるご自分にあったお食事の形態のご相談や痩せてきてる場合は、栄養を補う方法などのご相談をして頂けます。ぜひご相談ください。
TKG小日向台町歯科 機能強化型認定栄養ケア・ステーション
文京区の小日向台町歯科にある赤ちゃんから高齢者まで、地域で食べること栄養の相談のできる場所です。お気軽にご相談ください。
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